先日、メンバーと語ったときに、「じゅのさんって答え言わずに考えさせますよね。なんでそんなことをするんですか?」と聞かれました。

普段から無意識的にやってしまっていたため、理由を聞かれたときに言語化ができなかったため、今回改めてこの質問について考えてまとめてみました。

なぜ答えが分かっていてもすぐに教えないのか?

ある程度経験があると、部下から相談を受けたときすぐに「解決策」がわかってしまうときがあります。
その際、私は「答えをすぐに言わない」ように意識しています。
答えではなく、答えにたどり着くためのヒントを出していきます。
私がすぐに答えを言わず、部下に考えさせる理由は以下の2つがあります。

理由
①自分で考えて答えを導き出せる人材にするため
②自分が持っていた「答え」よりも優れた「答え」を引き出す可能性がある

①自分で考えて答えを導き出せる人材になる

部下から相談を受けたときに、すぐに「答え」を言ってしまうと自分で調べたり考えたりする機会がなくなってしまいます
これを続けると、部下は何か問題が起こったときに何でも人に聞いて解決しようとする癖がついてしまい、上司の人は毎回対応しなくてはいけなくなってしまいます。また、なぜその解決策が適切なのかを他人に聞かれた際に「上司がそう言っていたから」と根拠が説明できなくなってしまいます。

そのため、なるべく答えは自分で導き出させるようにするように工夫しています。

例えば、プログラミング経験の浅い部下が「ここの実装どうすればいいかわかりません」と相談してきたとしましょう。
ここで「ここはこうするとできるよ」とすぐに答えをいうと、「分かりました!」と言ってその問題は解決します。しかし、また別の問題が出てきたときに、「すいません、こちらはどのように実装すればいいですか?」と、問題が発生するたびに上司が答えなければいけなくなってしまいます。
ここですぐに答えを言わず、「過去に同じ機能を実装している人いないかな?」と伝えます。「ネットで調べてみます!」と自分でいろいろ調べるように仕向けます。しばらくすると「公式ドキュメント参考にしたらできました!」と自身で解決策を導き出します。すると、次に問題が起こったときにもまず自分で公式ドキュメントをみたりして解決できるようになっていきます。また副産物として、自分で調べていく過程で知りたかったこと以外の知識も知り得る機会になります。

ティーチングとコーチングの違い
ティーチングとコーチングの違い

でも、そんなことしてたら時間かかるでしょ?と思われる方もいるかと思います。
その通り!かなり時間がかかります。教えてしまったほうが圧倒的に早いです。それは間違いないです。
初めてプログラミングをする人に、「ドキュメント見ればわかるよ」は完全に非効率で分かるはずはありません。経験が浅く、判断する材料がないあるいは少ない人にはまずは教えたほうが効率的です。

じゃあ、教えたほうがいいじゃん!?
いえ、実は長期的にみると非効率になる可能性があります。
上記でも書いたとおり、自分で考えて答えを出す力が弱いので毎回上司に聞くことになります。その結果、毎回上司は自分の仕事を中断して対応しなくてはいけなくなってしまいます。
一方、自分で考えさせて答えを導き出せるようになれば徐々に相談に来る回数が減り、上司の時間にゆとりが持てるようになっていきます。また、部下自身の問題解決能力や知識も向上するので部下にとってもいいことです。
最低限の経験をして自分で判断できる材料がある人に対しては、自分で答えにたどり着く力をつけさせたほうがいいです。

②自分が持っていた「答え」よりも優れた「答え」を引き出す可能性がある

上司が持っている「答え」がそもそも正しいとは限りません。
何かしらの問題が発生した際に、上司の人が「それはこうしたほうがいい!」と言ってしまうと部下はそれを鵜呑みにしてしまいます。もしその答えが間違っていたら、あなたはどう思いますか?

一方で、部下の方に「〇〇さんはどう思う?」と質問してみると、考えていた答えよりも優れた意見が出たりすることが多々あります。その場合「それいいね!」と言いながら内心「聞いてみて良かった〜」と上司自身の勉強になります。

まとめ

答えを「教える」のはティーチングです。一方、答えを「引き出す」のはコーチングといいます。
ティーチングとコーチングはバランスが大切だと思っています。
ティーチングだけでは部下の思考力は育たないし、コーチングだけでは非効率でメンバーから反感を買う場合もあります。
知識豊富なマネージャーはついつい答えを言ってしまうティーチングに走りがちです。
しかし、将来的な成長を期待するなら基本はコーチングに重点を置くべきだと思います。

かくいう私もすぐに答えを言いたくなってしまう人間です(笑)。しかし、その気持ちをまずはグッと堪えます。そして、メンバーが自身で答えにたどり着くまで待ちます。粘り強くちゃんと面倒をみれば、いつの間にか色々な知識を身に着けて自身で答えにたどり着く力を身につけているでしょう。

ティーチングしかしていないという方は、ぜひコーチングも取り入れてみてください。

この記事をシェアする

Laravel開発のお悩み相談・学習サポートはこちら

じゅのきちメンターサービス

じゅのきちメンターサービス